2011年12月3日土曜日

軍争篇・大衆操作

_そこで軍隊で気勢を奪い、将軍は意思を奪うようにす
る。
 そもそも朝の気は鋭く、昼の気は怠惰で、夕暮れの気
は帰順する
 だから戦争に慣れた者は、鋭い気を避けて、怠惰や
帰順の時に攻撃する。
 これが気を治める者のやり方だ。
 治まった姿を見せることで、乱れたものが治まるのを
待ち、静まった姿を見せることで、やかましいものが静
かになるのを待つ。
 これが意思を治める者のやり方だ。
 近いと思わせて遠回りをするのを待ち、なまけている
ようにみせて労作するのを待ち、満足できると思わせ飢
えるのを待つ。
 これが力を治める者のやり方だ。
 整然と旗を掲げた軍隊を待つことはなく、勇ましい隊
列を攻撃することはない。
 これが変を治めるやり方だ。

※ナチスのヒトラーは、夕暮れ時に演説会を開き、大量
の旗を持った軍隊の行進や勇ましい軍歌を流すことで、
民衆の気勢を高めた。
 そして、ヒトラーが演説する時は、集まった聴衆が騒い
でいる時は、黙って静まるのを待った。
 そこで最初は落ち着いた口調で話し、次第に荒々しい
口調で勇ましい言葉を並べたてる。
 人は真似をしたくなる生き物だから、聴衆は共感して
いく。
 そして、自分たちを常に被害者の立場におき、本当と
は逆の情報をうえつける。
 正々堂々としているので、誰も疑いを持たなくなる。
 現在でも詐欺師がよく使う手口だ。
 恐ろしいのは、騙された者に自覚がなく、騙す側の味
方になり、その連鎖でもっと多くの者が騙されていく。
 事件として明るみになっても騙された者は被害者だと
いうことを認めないか、被害者意識だけで加害者意識
がない。
 詐欺事件は、騙された者を逮捕しない限り、詐欺師の
資金源を断つことはできないし、被害の拡大を防ぐこと
はできない。
 戦争で戦った兵士たちを英霊と言って、敗戦の責任を
国民に押し付けている政治も同じだ。
 戦争をしていなければ、この国の外交は優位にたつ
ことができ、アメリカと対等の関係になれた。先祖は本
当に英霊になっただろう。
 かりに諸外国から戦争をせざるおえない状態に追い
込まれていたとしても、それこそ大義名分を得るチャン
スになったはずだ。
 今度は、東日本大震災や原発事故の責任を増税や
値上げというかたちで国民に押し付けている。
 これらは、「該当者なし」が選択できず、公務員に投票
権のある「イカサマ選挙」に何の疑いもなく投票している
国民がいる限り、公認詐欺師に騙され続け、政治は良く
ならない。
 日本人の騙されやすいのは、義務教育の洗脳とあい
さつ運動にみられる。
 学校の教育には、人を育てるという目的はなく、従順に
命令を聞き、公務員に疑問をもたないように洗脳するこ
とにある。
 「あいさつ」というのは、合言葉と同じで、見知らぬ相手
でも、あいさつをしてきたら仲間だと思うようになる。
 だから、詐欺師はあいさつをしながら笑顔でやってくる。


ゆえに三軍には気を奪うべく、将軍には心を奪うべし。
このゆえに朝の気は鋭、昼の気は惰、暮の気は帰。
ゆえに善く兵を用うる者は、その鋭気を避けてその惰
帰(だき)を撃つ。
これ気を治むる者なり。
治をもって乱を待ち、静をもって譁(か)を待つ。
これ心を治むる者なり。
近きをもって遠きを待ち、佚(いつ)をもって労を待ち、
飽(ほう)をもって饑(き)を待つ。
これ力を治むる者なり。
正々の旗を邀(むか)うることなく、堂々の陳(じん)を撃
つことなし。
これ変を治むるものなり。

故三軍可奪氣、將軍可奪心
是故朝氣鋭、晝氣惰、暮氣歸
故善用兵者、避其鋭氣、撃其惰歸
此治氣者也
以治待亂、以靜待譁
此治心者也
以近待遠、以佚待勞、以飽待饑
此治力者也
無邀正正之旗、勿撃堂堂之陳
此治變者也