2011年12月15日木曜日

行軍篇・政治腐敗

_杖をついて立っているのは、ひもじくて病になっている可能
性がある。
 汲んだ水を確認もせずに飲むのは、水不足になっている
可能性がある。
 有利になっているのに攻撃してこないのは、労作している
可能性がある。
 鳥が降りて群れていると、そこにはいない可能性がある。
 夜に呼びあっているのは、不安で反乱する可能性がある。
 軍に騒ぎがあるのは、将軍に何かあった可能性がある。
 旗があわただしく移動いているのは、計略に変更があった
可能性がある。
 隊長が怒っているのは、疲れている可能性がある。
 馬を殺して肉以外に食べ物がないのは、兵糧がない可能
性がある。
 器やかめをかかげて気勢を上げ、宿営地に戻ろうとしない
のは、決死の覚悟を決めた可能性がある。
 何度も集まって、しずかに相談するのは、民衆の支持を失っ
ている可能性がある。
 ひんぱんに賞を与えると行き詰まる。
 ひんぱんに罰を与えると乱れる。
 勝手に実行しておいて、後で民衆の評判を気にするのは、
怠慢のさいたるものだ。
 来ても任されたことを辞退するのは、責任逃れをしたいか
らだ。
 戦争で怒りをみせて対峙したまま、しばらく戦闘はせず、お
互いに退却できない状態になったら、みずから反省して、必
ず自分たちのおちどをあきらかにすること。

※そもそもこんな状態になったら戦争どころではない。
 自国の場合はすぐに分かるが、敵国については、こんなに
細かく分かるのか疑問。もし分かるとしたら戦うまでもないは
ず。
 政治を一部の者に任せていると、こういった政治腐敗にな
る。
 政治が悪くなるのは国民が政治を知らないからで、その知
らない者が代表を選ぶのは、野球を知らない者が選手のポ
ジションを決めるようなものだ。
 選挙で投票するというのは、立候補した者の連帯保証人に
なるということだが、どれだけの人がそんなことを考えて投票
しているのだろうか?
 ドイツのナチスも今の日本の選挙制度と同じように「民主的
な選挙」によって誕生した。
 自民党がだめで民主党もだめ。今度は橋下(大阪市長)新
党や石原(都知事)新党を選ぶのか?
 この人たちは「核武装論者」なのだが。
 それよりも議員や公務員には辞めてもらい、国民全員がボ
ランティアで政治参加して、政治を学ぶべきだ。
 そうすれば無駄な税金を使う必要がなくなり、税金の徴収
ではなく寄付で運営することもできる。また、無駄な議論をす
る必要もない。
 私は電気製品の修理の仕事をしていたが、故障の原因が
分からない時は、すべての部品を優先順位を決めて、交換し
てみる。
 無駄があるように思われるが、必ず修理できるし、経験を
つむと故障箇所が予測でき、優先順位の早い段階で修理で
きる。
 これを応用すれば、国民全員であらゆる提案をだし、優先
順位を決めて実行して、その結果をもとに修正していけば、
必ず正解にたどりつく。


杖つきて立つは、飢うるなり。
汲(く)みてまず飲むは、渇(かつ)するなり。
利を見て進まざるは、労(つか)るるなり。
鳥の集まるは、虚しきなり。
夜呼ぶは、恐るるなり。
軍の擾(みだ)るるは、将の重からざるなり。
旌旗(せいき)の動くは、乱るるなり。
吏(り)の怒るは、倦(う)みたるなり。
馬を粟(ぞく)して肉食するは、軍に糧なきなり。
缶(ふ)を懸けてその舎に返らざるは、窮寇なり。
諄諄翕翕(じゅんじゅんきゅうきゅう)として、徐(おもむろ)に
人と言うは、衆を失うなり。
しばしば賞するは、窘(くる)しむなり。
しばしば罰するは、困(くる)しむなり。
先に暴にして後にその衆を畏(おそ)るるは、不精の至りなり。
来たりて委謝するは、休息を欲するなり。
兵怒りて相迎え、久しくして合せず、また相去らざるは、必ず
謹みてこれを察せよ。

杖而立者、飢也
汲而先飮者、渇也
見利而不進者、勞也
鳥集者、虚也
夜呼者、恐也
軍擾者、將不重也
旌旗動者、亂也
吏怒者、倦也
粟馬肉食、軍無糧也
懸缶不返其舍者、窮寇也
諄諄翕翕、徐與人言者、失衆也
數賞者、窘也
數罰者、困也
先暴而後畏其衆者、不精之至也
來委謝者、欲休息也
兵怒而相迎、久而不合、又不相去、必謹察之