2011年6月4日土曜日

計篇・戦争に勝つ者

 だから戦争に勝つのは、最悪の事態を想定して、こ
うした備えを整えているからだ。
 戦争に負けるのは、最悪の事態を想定せず、備えを
万全にしていないからだ。
 最悪の事態を想定して備えていれば勝つことができ
るが、最悪の事態を想定しても備えが不備ならば負け
る。そもそも最悪の事態を想定しなければ意味がない。
 私はこうして結末からさかのぼって勝つ道を探ってい
る。

※これは「相手から得た情報から勝算があるかどうか
を検討する」と解釈されているが、こちらに勝算がなくて
も相手は攻撃してくる。
 そもそも地震が予測できないように、相手の情報を正
確に得ることなどできない場合が多い。
 性善説で対処するのではなく、性悪説で最悪の事態
を想定することで備えを整えることができ、被害がでた
としても最小限で食い止められ、復興がはやくなる。


それいまだ戦わずして廟算(びょうさん)して勝つ者は、
算を得ること多ければなり。
いまだ戦わずして廟算して勝たざる者は、算を得るこ
と少なければなり。
算多きは勝ち、算少なきは勝たず。しかるをいわんや
算なきにおいてをや。
われこれをもってこれを観るに、勝負見(あら)わる。

夫未戰而廟算勝者、得算多也
未戰而廟算不勝者、得算少也
多算勝、少算不勝、而況於無算乎
吾以此觀之、勝負見矣