2011年6月18日土曜日

作戦篇・敵地調達

 戦争に慣れた者は、兵士を疲労させず、食糧は途
絶えさせない。
 指揮者は国から出すが、人材や資材、食糧は敵地
から調達する。
 だから戦争準備がすぐにできる。
 国が衰退するのは無駄に動かすからだ。
 国民からすべてを賄おうとすれば困窮する。
 戦争が国の内部や周辺で起こった場合、消耗戦と
なる。
 国民の財産がほとんど失われてしまう。
 そのため国は財源を失う。
 だから戦争は先手をうって敵地でおこなうようにす
る。
 それだけでも敵は衰退していく。

※この文章はインドア派の発想の重要性を示してい
る。
 世界に名だたる大企業は現地調達が大前提だ。
本社には少人数の頭脳集団しかいない。
 東日本大震災では、救出に自衛隊が動き、食糧、
資材を遠くから運ばなければいけなかった。また、被
災者が避難場所を何度もかえられるという失態もあっ
た。
 昔から津波があることは知られているのなら、なぜ
津波に飲み込まれることを前提とした住宅にしないの
か?
 日本の造船技術を使えば海底でも生活できるような
住宅はできるはずだ。
 カニは潮の満干を前提に巣を作る。
 海底都市を地上に造ってもいいはずだ。観光スポッ
トにもなる。
 食糧も各地域に給食センターを作り、余剰作物など
を集めて備蓄し、平時から弁当を作り、無料で配布し
ていれば、こうした時に困ることはない。
 義援金も電子マネーにすれば、すぐに使えるように
なる。
 「運ぶ、配布する」というアウトドア派の発想では手
遅れになるだけだ。


善く兵を用うる者は、役は再びは籍せず、糧は三たび
は載(さい)せず。
用を国に取り、糧を敵による。
ゆえに軍食足るべきなり。
国の師に貧なるは、遠く輸(いた)せばなり。
遠く輸さば百姓貧し。
師に近き者は貴売(きばい)すればなり。
貴売すればすなわち百姓は財竭(つ)く。
財竭くればすなわち丘役(きゅうえき)に急にして、力
屈し財殫(つ)き、中原のうち、家に虚しく、百姓の費、
十にその七を去る。
公家の費、破車、罷馬(ひば)、甲冑、矢弩(しど)、戟
楯(げきじゅん)、蔽櫓(へいろ)、丘牛(きゅうぎゅう)、
大車、十にその六を去る。
ゆえに智将は務めて敵に食(は)む。
敵の一鍾(しょう)を食むは、わが二十鍾に当たり、キ
カン一石は、わが二十石に当たる。

善用兵者、役不再籍、糧不三載
取用於國、因糧於敵
故軍食可足也
國之貧於師者遠輸
遠輸則百姓貧
近於師者貴賣
貴賣則百姓財竭
財竭則急於丘役、力屈財殫、中原内虚於家、
百姓之費、十去其七
公家之費、破車罷馬、甲冑矢弩、戟楯蔽櫓、
丘牛大車、十去其六
故智將務食於敵
食敵一鍾、當吾二十鍾、キカン一石、當吾二十石