2011年7月23日土曜日

謀攻篇・補佐役

 議員や公務員は国民の補佐役である。
 補佐役が国民と共にあれば、国は強固になる。
 補佐役が国民と隔たりがあれば、国は弱体化する。
 そのため補佐役の能力として注意する点が三つある。
 行動する時ではないのに行動し、行動する必要があ
る時には、何もしない。
 これでは国民の足を引っ張ることになる。
 民意を分かっていないのに政治をすれば、国民は困
惑する。
 国民の権利を無視するが、あやまちの責任をとらな
いでは、国民は疑う。
 国民を困惑させ疑いをもたれるようでは、外交でも信
用されない。
 これでは国を衰退させることに力を注いでいるような
ものだ。

※この文章は一般的には君主と将軍の関係を記したも
のと解釈しているが、戦争ありきでは謀攻篇にはそぐわ
ない。
 現代の将は、議員や公務員と解釈すれば分かりやす
い。
 国民の存在しない国は成り立たない。しかし、議員や
公務員は、国民を無視して勝手に政治をやり、悪政を
しても責任はとらず、国民にすべての責任をなすりつけ
る。
 古代からこうした伝統(?)は続いている。
 それでも国民は議員は選挙で選ばれているのだから
国民の代表で、公務員は試験を受けて合格しているの
だから優秀だと錯覚している。
 公務員に選挙権があり、必ず誰かを選択しなければ
いけない選挙では、公務員に有利な無能な議員しか当
選しない。
 こうした単純な詐欺も見抜けない国民の無知こそが
諸悪の根源だ。
 公務員やその家族に選挙権を与えず、選挙では「該
当者なし」が選択できるようにして、当選者がいなけれ
ば、国民が直接政治をするのが本来の政治のありかた
だ。
 国民全員で政治をやって学ばない限り、どんな補佐
役が必要かは分からない。
 孫子は自分たちのことだけを言っているだけではなく、
敵についても同じだと言っているので、自分たちが注意
することは、敵を弱体化させることに利用できる。


それ将は国の輔(ほ)なり。
輔周(ほしゅう)なればすなわち国必ず強し。
輔隙(ほげき)あればすなわち国必ず弱し。
ゆえに君の軍に患うるゆえんのものには三あり。
軍の進むべからざるを知らずして、これに進めと謂(い)
い、軍の退くべからざるを知らずして、これに退けと謂
う。
これを軍を縻(び)すと謂う。
三軍の事を知らずして三軍の政を同じくすれば、すな
わち軍士は惑う。
三軍の権を知らずして三軍の任を同じくすれば、すな
わち軍士は疑う。
三軍すでに惑いかつ疑うときは、すなわち諸侯の難至
る。
これを軍を乱して勝を引くと謂う。

夫將者國之輔也
輔周則國必強
輔隙則國必弱
故君之所以患於軍者三
不知軍之不可以進、而謂之進、
不知軍之不可以退、而謂之退
是謂縻軍
不知三軍之事、而同三軍之政者、則軍士惑矣
不知三軍之權、而同三軍之任、則軍士疑矣
三軍既惑且疑、則諸侯之難至矣
是謂亂軍引勝